smc PENTAX 15mmF3.5(後期球面タイプ)


Left: Aspherical type, Right: Spherical type

The Specification of smc PENTAX 1:3.5 15mm
対角線画角 111度
最小絞り F22
レンズ構成枚数 12群13枚
最短撮影距離 0.3m
フィルター径 4種内蔵
サイズ 80(最大径) x 81.5(長さ) mm
重量 600g
当時の定価 92000円
中古相場 滅多に出ない,8.5万は最低ライン
中古出現難易度 ☆☆☆☆★

【コメント】
 smc PENTAX 15mmF3.5は旭光学とカールツアイスとの提携話が解消されたため、前期モデルの中に 非球面レンズが1群あり、その供給源が絶たれたため、設計変更を余儀なくされたレンズである。 よって、このレンズからは旭光学(当時)の設計テイストにアレンジされていると言っていいだろう。
最近、このホームページを見た友人から指摘されたのであるが、よーく見ると距離目盛の数字系列が フィート表示の部分が異なることがわかった。
非球面バージョンは7・4・2・1.5・・・, 球面バージョンは7・3・2・1.5・・・となっているのである。
【光学系】
12群13枚構成。構成図を見ると
(前) 凹凹凸凹(凸凹)凹凸F凸凹凸凸 (後)
となっており,F(フィルター)が内臓式であるので,フィルターを考慮した設計といえ る。先にも述べたが、ツアイスとの提携話がなくなり,ハイブリッド非球面レンズが供給されなくなったた めに,非球面を用いない設計に変更したのが,後期モデルが登場した大きな理由だろうと 私は推定している。
いずれにしても球面で同等の設計変更が容易にできた旭光学のレンズ設計技術の高さが汲 み取れるレンズであろう。
 また,このレンズの断面図が取り扱い説明書やカタログに掲載されているが,取り扱い説 明書の初期から一貫して変わっておらず,非球面から球面への変化はほんの僅かであり, レンズ構成断面図では判別が付かない程度であると推定され,一部の本には誤った形で掲 載されているようである。
 蛇足であるが,非球面信仰みたいなところが一部のマニアにはあるが,製造の容易さと実 際の物が設計値に近い製造較差の少ない優秀なレンズが生産される生産性を考えると球面 のレンズで,すべて賄う方が安定した製品が得られることはこの業界では周知の事実であ る。よって,非球面をやたらに使わない方が実はメリットが多いという事実は意外と知ら れていない。
【描写印象】
 歪曲がよく補正されており,画角111度を感じさせない優秀な設計のレンズであり,当 時の超広角レトロフォーカスの設計技術で進んでいたペンタックスの技術を元にツアイス のテイストが組み合わさり、更に旭光学の特徴を引き出した優秀な描写を示す。前玉が大き いために(五角形)ゴーストが出易いのが使用上の難点である。このレンズは前期モデルと 比べて格段に星像がよくなっており、球面レンズの組み合わせでもここまで行けるという 実力を示してくれたレンズとして素晴らしいものである。現行のA15/3.5と設計が 同じであるので、ある意味未だに現役の高性能レンズと言えよう。

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