Ultra Achromatic-Takumar 1:5.6/300

The Specification of ULTRA ACHROMATIC-Takumar 300mmF5.6
対角線画角 8度
最小絞り F22
レンズ構成枚数 5群5枚(蛍石2枚・ほか3枚はガラス使用)
最短撮影距離 4.85m
フィルター径 58mm(専用フィルターはないようであるがR62,R68が旭光学から出ていた)
サイズ 68(最大径) x 225(長さ) mm
質量 825g
当時の定価 97500円(1968)ペンタックスカメラ博物館の展示では10万円となっている(2004.05.05確認)
中古相場 不明(私は88000円税抜きで入手)
中古出現難易度 ☆☆☆☆☆

【コメント】
 ULTRA ACHROMATIC Takumar 300mmF5.6は中古でも滅多に出てこない珍品中の珍品レンズの1本。 特徴は螢石を2枚も当時つかった贅沢な設計のレンズで,色補正を400nm〜850nm まで行ったレンズである。取り扱い説明書によると可視光線で合わせたまま赤外撮影が可能と いうことになっている。
 螢石(フローライト)は今ではキヤノンの専売特許になっているが,当時旭光学も研磨の難し い素材を使いこなし,しかもモノコーティングされているのには参りました。UAT85/4.5と共に 量産型レンズとしてフローライトを使った最初のレンズではないだろうか。  ちなみに、私のレンズはよく見ると刻印が「ACHROMATIC」ではなく「ACHRMATIC」になっている ことを最近気がついた。
【光学系】
5群5枚構成
(前) 凸凹凸 凸凹 (後)
の典型的なテレフォトタイプの望遠レンズである。 1枚目と3枚目が螢石である。螢石は屈折率nd=1.43388,分散を表すアッベ数νd= 95.0と色収差の補正に有効なガラス素材である。欠点は弗化カルシウムの結晶であるため 柔らかく非常に傷の付き易い素材で,その取り扱いが難しいことから研磨できるメーカーは今 では1社ほどしか製造できないらしい。当時,これを研磨できコーティングもできたのは国内 では旭光学くらいではなかったのではないだろうか?(あくまで推定です) 色補正は現在のレベルと比べると劣るが,当時としては優秀なレンズであろう。取扱説明書に よると可視光線で合わせたまま赤外撮影が可能ということになっているが,実際被写界深度目 盛りの左側のF11(2番目のライン)当たりに赤外線マークが来るようである。
【描写印象】
 現在のEDガラス使用の望遠レンズと比べると色収差は大きいが,解像度もそこそこ高く,ペ ンタックスらしい階調豊かな描写である。

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