
ピストンリング交換
2回目の車検の前に、「一丁、ピストンリングでも交換したろう!」と思いつき、腰上ばらしにかかりました。以前にヘッドだけ開けた時にボアがノーマルなのを確認していたので、リングを買っておいたのでした(思えば、3気筒全部がノーマルボアかどうかは確かめてませんでした。危ないなあ)。ヘッドまでは問題なく取れて、シリンダーをゴムハンマーでコンコンとたたいて外し…コンコン、コンコン… ムキー!外れない!!!
左と中央シリンダーは叩くとグラグラしますが、右シリンダーはピクリともしません。とりあえず、一番取れそうな左シリンダーの排気口に木の棒を当て、金槌でガンガンと叩いてみました(フィンを叩くと確実に折れるので注意)。5-56をスタッドボルトの穴に吹き入れて、またガンガン!なんか、錆色の油が出てきます。叩きつづけること2時間以上、やっと左シリンダーが取れました。
しかし、中央シリンダーは1mm程度持ち上がっただけで、びくともしなくなり、右シリンダーにいたっては、てこでも動こうとしません。
取れた左シリンダーのスタッドボルトは錆びまくっており、その錆でシリンダーが取れなくなっているようです。ヘッドは取れているので、取れないシリンダーのスタッドの穴に5-56をいやというほどかけておきました。しかーし!結局取れないので、左シリンダーのピストンリングだけ交換してお茶を濁したのでした(とほほ…)。
2回目のユーザー車検
そうこうしているうちに、2回目の車検が来ました。車検場では順調に検査が進んでいきます。心配だったメーターのチェックも1回でOKでした。ライトの光軸チェックでエンジンをかけた時、検査官に「こりゃー煙が出すぎだなあ。いくら古いからといって、今は垂れ流しってわけにはいかないんだよね」と言われ、もう一度来なさいって事になりました。実はレストアお役立ちメモのところに書いたように、ギアオイルが燃えていたのでした。再検査は早めに受けなくてはならないので、無理やりクランク右端のオイルシールを交換して再検査を受けました。煙も程々になって、やっと合格がもらえました。
しばらくそのままで走っていましたが、突然3速に入らなくなりました。3速だけギアが噛まないのです。その他はOKです。ついにH2もエンジンを開ける日が来たようです。一番心配なのは取れないシリンダーです。シリンダーさえ取れれば、後はKHの時と大差はないでしょう。
前にシリンダーを取ろうとした時に5-56を入れておいたので、多分取れるようになっているだろうと甘い期待を抱いていました。…甘すぎます。やっぱりびくともしません。排気口をコンコン叩いて、叩いて、叩いて…
ムキーーーー!と、気が狂う寸前にひらめきました。「後ろからも押し上げなくっちゃダメじゃん!」と、破れかぶれで写真のようなものをこしらえました(写真をクリックすると拡大します)。
写真中央部のつっかえ棒のようなものは、ラチェットの延長シャフトにコマを付け、そこに長ナットとボルトを入れたものです。その棒をクランクケースの凹部とインテークの天井に合わせ、ボルトをスパナで押さえつつ長ナットを緩める方向にスパナで回すと少しずつ棒の長さが長くなり、シリンダーを押し上げていきます。あまり力いっぱい回すとクランクケースにひびが入るか、インテークの天井部分が壊れる可能性があるので、良い感じにキュキュッと締め込みます。締め込んだら少しシリンダー後部が浮くので、今度は排気口部分を前と同じようにコンコン叩きます。すると後のつっかえ棒がゆるくなるので、また少し締めてから前の排気口部分を叩きます。これを繰り返すと…ウキー!確実にシリンダーが浮き上がってきました(この時点ではまだ嬉しくて狂ったままです!)。にやにやしながらキュッキュッ、コンコンとやっている様は、まさしく壊れた人だったでしょう。ちなみに写真を撮ったのは、一番手強い右シリンダーが外れて正気に戻ってきた時に撮ったものです。
私の場合はこの方法でシリンダーが外せましたが、ムリムリ流ですので皆さんにはあまりお勧めできません。もしこの方法を試す時には自分の責任において行ってください。アドバイスは、クランクケースとつっかえ棒との間に三角の木などを挟んでおくと、クランクケースに傷が入らないし、力がかかる部分も分散するように思います。
エンジンOH(ミッション編)
シリンダーが取れたので、KHと同様にジャッキを使ってフレームからエンジンを降ろします。簡単カンタン。後はコンコン叩いてクランクケースを割れば…割れない…
ここでは慌てずに、長ナット+ボルト作戦第二弾で攻めました。長ナット+ボルトをスプロケのシャフトとクランクケースの下の部分(肉厚がある部分)にかませて、ボルトナットを緩める方向に回して長くしていきます。するとあっけなくクランクケースは離れてくれました。長ナットおそるべし!!クランクケースを外してみると…「!!!」
多分今まで一回もクランクケースを割ったことがないのでしょう。ヘドロのような金属粉が大量に溜まってました。気を取り直してギアを見てみると…
アウトプットシャフトの3速ギアを止めるサークリップがなくなっていました。3速に入れると写真の右側の4速ギアが動いて3速ギアと噛み合うのですが、サークリップがなくなっているので、ギアが逃げてしまい、噛み合わなかったのです。すぐに原因がわかって良かったと思う反面、もし壊れたサークリップがギアに噛み込んだらと考えるとぞっとしました。何しろこのギア抜けが起こったのはタマリ漬けさんとのショートツーリングの帰りで、「3速がなくても結構走れるもんだね〜」なんてのんきなことを言ってぶっ飛ばしてたんです。うわー、こわー!
せっかく開けたんだから次は当然クランクだわなあ。