清川・月山沢 イワナ釣行記 〜清川の潜水艦ゲット!〜 |
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8月5日 晴れ
月山の頂上を後にし、約3時間肘折方面に下降すると立谷沢川上流の清川の橋に午後3時過ぎに到達する。
今夜の晩のつまみを調達すべく、同清川に架かる橋の下にて身支度を整える、ザックは少し上流の笹薮の中にデポし、私は毛ばり、松ち
ゃんはぶどう虫による餌釣りで釣り上がる。
今夜のつまみ分だけ釣れば良いので即釣り開始、2006年にも松ちゃんがイワナを釣った右岸の小淵に白系のカディスタイプの毛ばりを落とす、早速8寸のイワナが姿を現し「パク」と毛ばりを銜えてくれた! その後も遊び心で、同小淵に毛ばりを落としてみた所、交代でいわなが姿を現すがどうも食欲が無い様子で毛ばりをくわえてはくれない。
しっかり生き続けているイワナを確認できた二人は、上流へ向け遡行を開始、松ちゃんは次の淵でやはり8寸をゲット!お互い幸先の良いスタートであった、その後私が同8寸サイズのイワナを追加したが、約1時間釣りながら遡行するも追加することはできなかった…
なんとかもう一匹ゲットしたかった私は、最初の小淵に戻り落ち口に緑系の毛虫を模したウェットタイプの毛ばりを落とす、流れに飲み込まれる毛ばりを見送り約2秒軽くラインを張り聞いてみたところ、「食べてます」の返事が…よっしゃ「ビッシ」と合わせとと共に引き抜く9寸近いいわなが空中を飛ぶ、しかし、な・な・なんとイワナは針から外れチャラの50センチくらいの溜りへポシャン! 私は逃してはなるものかと竿を放り出し溜りの中を両手で探る、えぐれた石裏にじっとしていたいわなを両手で押えたが石裏は狭いのとイワナのぬるぬるとで引き上げられない、3分位の格闘の後ようやく取り上げることに成功した。「今夜の刺身とったどー!」と叫んだかどうかは想像にまかせますが…やはりここでは叫ばなければ「刺身とったどー」(笑)
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清川に架る橋 | 橋の上流の流れ | イワナはしっかり生き続けていた |
なんとか8寸から9寸のいわな4匹を確保したことから、清川の橋に戻り、いわなの腹わたを取り、渓流足袋・スパッツは竹の棒にぶら下げ橋の下に干し、身支度を整え今夜の寝床である念仏ヶ原非難小屋へ急ぐ。清川の橋を渡るとすぐに小沢がありますので冷たいおいしい水を水筒にたっぷり補給し(小屋の水場はあるがあまりうまくありません)、念仏ヶ原までの急登に取り付く。ここは痩せ尾根のため崩壊している所もありロープが張られている、ちょっとスリリングである。
薄暗い中の急登であったが途中、ちたけを2本発見しゲットする。明日の釣りの帰りは良く見てチタケ汁を目指すことに… 急登は、約30分で終わり木道に出れば間もなく念仏ヶ原である、快適に小屋への木道を歩く、5分も歩いたころであったか左カーブを過ぎて前方の木道に何やら大きな黒い物体がうごめく・・・『熊』であった。私の30〜40メートル先にでっかいケツを向けゆったりと歩いている。私は、立ち止まり後ろから追従してきた松ちゃんに小声で「松ちゃん、松ちゃん、、、熊・熊・熊、見て!見て!」松ちゃんは、ひとこと「デカ!」その後、熊が左向きになったところで、Uターンされ襲われたら流石に困ると考え、二人は速やかに熊の視界から消えるため、静かに50メートル程後退りし、しばし待機…。
実は、私と松ちゃんは、以前栃木県の裏男体の沢に岩魚釣りに行った時、やはり私が前を歩き前方の笹薮の中にいた熊を発見し慌てて小声で「熊・熊」と言いながら後退りしたが、松ちゃんは熊を見ていない、今度こそ見て貰わなければと、立ち止まり横並びになりしっかり見て貰った。(笑)私も松ちゃんも流石に写真を撮るまでの余裕はありませんでした。(汗)
木道で3〜4分待機した後、私のリックに付いていた熊よけのカウベルを松ちゃんが手に持ち、激しく鳴らし、私は「ヤッホー、ホーゥ、ホーゥ」と奇声を発しながら、ゆっくりと進む最後に熊を見た地点には熊は見えない、注意しながらも進むと木道上にはでっかい足跡がくっきり印象され、進路左の湿原に熊が歩いた跡がある。どうやら熊は自ら去っていったようであった。この熊は、松ちゃんの命名により森の「熊八」と名付けられた。
その後も二人は、引き続きカウベルを鳴らし、奇声を発し、時には「森の熊さん」の歌を大声で歌い、その音程の外れや勝手な歌詞の変更に爆笑しながら念仏ヶ原の湿原を歩き、午後6時30分見覚えのある懐かしい非難小屋に無事到着した。小屋は二人の貸切であった。
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橋から下流の流れ | 清川のイワナ | 8/5夜のメインディシュ |
今夜のメインディシュは、イワナの刺身、イワナの唐揚げ、こてっちゃん玉ねぎ炒め、仕上げはスパゲッティ、ドリンクは冷たいビールに焼酎オンザロック!(文明の進化で氷を持っていくことも可能であり、ビールも氷らし保冷バックに入れて行けばキンキン冷たいものが飲めます、この快楽を求め重いリュックを背負う)
メインディシュが出揃ったところで、「ブシュ」とビールを開け「カンパーイ!」うまい!その後は焼酎のオンザロックを酌み交わし、今日一日を振り返り、また明日の予定に話は尽きず…いつの間にかボトル一本を空け酩酊する二人、明日のご飯もおいしく炊きあがり、昼の弁当を詰め、お片づけの後はシュラフに入り爆睡の世界へと…
8月6日 晴れ
翌朝起きれば引き続き快晴、小屋から念仏ヶ原へ出るとギボウシの紫の花やウサギギクが咲き誇り、その先には悠然たる月山の眺望、絶景です!しかも〜この大自然の真っ只中に、二人のほかには熊しか居ない。
今日は、清川を下り月山沢を釣行予定である。小屋に戻り、ラーメンライスの朝食を済ませ、午前7時釣り支度のみの軽装で小屋を出発した。出発して間もなく木道前方に「オコジョ」が現れ、私たち二人に挨拶をくれる。オコジョとの出会いの喜びもつかの間、出来れば「熊八」との遭遇は避けたく、二人は、またまたカウベルと奇声を発しての湿原歩きとなった。よく木道を見て歩くと古いものもあるが真新しい熊のマーキングとも見られる糞があちらこちらにあり、昨日「熊八」と遭遇した場所の木道脇には熊の昼寝の跡(植物が直径約1.5メートル程度の楕円形に押し潰されていた)が発見できた。
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念仏ヶ原の朝 | オコジョとの遭遇 | 熊八の寝床跡 |
午前8時、清川に架かる橋の袂で、登山靴を脱ぎ、昨日干して置いた足袋とスパッツに履き替え清川を釣り下る、時合のせいか、しばらくイワナの姿も見えず当りもないことから、ここぞの場所のみの拾い釣り程度にして月山沢出会いへ急ぐ、出会い手前にて松ちゃんが小ぶりのイワナをゲット、月山沢に入り本格的な体制で釣りに専念する。間もなく松ちゃんが9寸そして8寸のイワナを釣り上げ上機嫌である。私のドライの白系毛鉤には全くといいほど反応がなく厳しい、私は毛鉤をウェットタイプの緑系毛虫に換えた。換えて間もなく落ち込みの流れの芯から9寸のイワナを引き抜く、なんとか一匹ゲットできた。
とにかくイワナは、たくさん居る、清い水の流れに悠々と泳ぐ8寸9寸のイワナの姿がどの淵にも…しかも一匹ではない。しかし、口元に餌のぶどう虫を流しても知らん振り「見える魚は釣れない」の格言どおりであった。
しかし、食い渋る厳しい中でも二人は、午前中で今晩のつまみ分はしっかりゲット、昼には弁当と共に9寸イワナを河原で刺身にしておいしく食べさせて頂きました。私たちの目的は、今回も魚止めの確認でもなく、沢を詰めて月山へ登ることでもなく、釣ったイワナを持ち帰ることでもなく、今晩のつまみを調達できれば良のいでお持ち帰り計7匹で納竿とした。
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昼の刺身〜最高でした! | 月山沢の流れ | 8/6の釣果 |
イワナの刺身とお弁当を食べた後、清川との合流地点へと戻るのに約1時間であった。合流点で休憩中、松ちゃんは今夜の塩焼きのための木々を集めだしたが、ふっと私は清川の流れに目をると9寸のいわなが潜水艦のごとく浮かんできては沈んで行く。松ちゃんには悪いが私はこのイワナに見入っていた、5回目の潜水艦浮上の時、水面に口を開け何やら虫を捕食したので、もしや毛鉤を食べるかと早速に竿を出し茶系のカディスタイプを結束し水面で誘う・・・一瞬の時の後、潜水艦は狙いを定めたごとく突進し水面へ一直線「バシャ!」と水飛沫を上げ毛鉤をくわえ込んだ、瞬時に潜水艦は空中に飛び我が手中に、今夜の「刺身ゲットしたぞー!」(爆)
その後、天候が悪化し通り雨に見舞われたが、無事、清川に架かる橋に戻り、橋の下に足袋とスパッツを干し、早めの小屋戻りとした。
途中、急登の痩せ尾根で「ちたけ」を10数本ゲット(ナスを背負ってきた甲斐がありました)でき〜またまた嬉しい自然の恵みを頂きました。午後3時30分非難小屋に無事到着した。
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自然の恵み「ちたけ」 | 8/6夜のメイン(イワナ刺身・から揚げ・ちたけ汁) | ちたけ汁うどん最高!! |
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塩焼き | イワナのひれ酒〜うまいっす♪ | 2泊お世話になった念仏ヶ原非難小屋 |
小屋に戻った二人は他に誰もいないのを良いことに、水場でスッポンポンになり気持ち良く頭から水をかぶりサッパリした後、のんびりと夕食の準備に取り掛かる。松ちゃんは、塩焼きを担当、私は毎度お馴染みの刺身と唐揚げ…二人は塩焼きが待てずビールで乾杯!!塩焼きが出来た時には〜熱々をパクツクと共に日本酒を熱燗にしイワナの鰭を入れ「ひれ酒」を楽しむ、うまいっす♪
またまた二人は、本日の釣り談義に華を咲かせ、日本酒はあっという間に飲み干してしまった。(笑)仕上げは、ちたけうどんで腹を満たす。そし
て、明日の月山への復路に備え早寝とする。
明日は、午前4時起床、厳しい登りが待っている…頑張らねば!
月山山行記もよろしゅくです♪ by,sajun