怪奇大作戦に関するマニアックな質問と回答

ここは,主に掲示板「怪奇大作戦の部屋」で話題になった疑問点とその回答について記録するページです.せっかく書き込んでもらったウンチクが流れていくのを保存するという意味もあります.(^_^) (ついでに掲示板に書かれてなかった事も書いてます)

Last Update: 2004.05.05


[質問]
第26話「ゆきおんな」で,ホテルの部屋に元々掛けてあった絵について教えて下さい.

[回答]
劇中では,三沢に「盗んでもたいして値打ちものとは思えませんが」などと失礼なことを言われていますが,元々部屋に掛けてあった絵は,日本画家の中村正義さん(1924〜1977)の連作「舞妓」(木版画)です.那須ロイヤルホテルとのタイアップでロケが行なわれていますが,このホテルの各部屋に同じ絵が掛けてあったというのも事実で,ホテル経営者と親交のあった中村画伯は,ホテルの遊園地の設計も手掛けているそうです.



[質問]
第1話「壁ぬけ男」の設定は,フランスのマルセル・エイメという作家が1943年に書いた短編小説「壁抜け男(原題:Le passe-muraille)」にとても似ているように思えます.脚本を書いた上原正三氏が,この短編からヒントを得たとは考えられませんか?

[回答]
マルセル・エイメの「壁抜け男」については,元版が下記のように出ています.

    『異色作家短篇集』第12巻「壁抜け男」マルセル・エイメ 中村真一郎訳
      昭和38年4月15日発行 早川書房
第1話「壁ぬけ男」のシナリオ作成の約5年前の発行になりますから,もしかすると飯島プロデューサか上原氏のどちらかが目を通していた可能性はあります.小説の方は本当に壁抜けの超能力を身につけてしまった男の悲喜劇であるので,ヒントを得たとすればタイトルと基本的アイディアの部分だけであると考えられます.ちなみにエイメの壁抜け男を劇団四季がミュージカルで上演しており,下記のページにあらすじが掲載されていますので,興味ある方はご覧下さい.

http://www.shiki.gr.jp/applause/kabenuke/story.html



[質問]
「死神の子守唄」をドラマ中で歌っているのは,高木京子こと「深山ユリ」さんですよね?番組のエンディングの配役紹介では間違いなくそうなっています.ところがテストバージョンを収録している『円谷プロダクション・アーリーデイズ・クロニクル』によれば,歌っているのは「深山エミ」となっています.これは一体どういう事でしょうか?

[回答]
キングレコードから出ているCDや,VAPの円谷プロダクション・アーリーデイズ・クロニクルでは「死神の子守唄」の歌手名は「深山エミ」になっています.アーリーデイズ〜の方では放送リストのゲスト欄にはちゃんと「深山ユリ」と書いてあるので,意識して使い分けてあるように思えます.ということは歌っているのは別人なのでしょうか? ここからは推測に過ぎませんが,やはりこれは「深山ユリ」の間違いではないかと思われます.きっと最初の出典となった資料が間違っていたのでしょう.どうしてこういう事になってしまったのかはもはや謎です.(深山ユリの方が間違っているという意見も否定できないが,芸名の意図を汲み取るとやはりユリでしょう)



[質問]
「死神の子守唄」は番組中では5人目の娘が死ぬところまでしか使われていませんが,フルコーラス版は存在するのでしょうか?10人全員がどうなるのか気になるのですが...

[回答]
ドラマ中ではヒットソングということになっていますが,とても流行るとは思えないほど暗い曲である「死神の子守唄」の完成版は,円谷プロにおいても発見できておらず,現在はテストバージョンしか存在しません.テストバージョンでは,8人の娘が旅をして3人目が死ぬ...から5人の娘が旅をした所までが歌われています.ドラマ中では10人の娘のうち5人が死ぬところまでは,不連続ではありますが歌われています.なお,『円谷プロダクション・アーリーデイズ・クロニクル』にテストバージョンが収録されています.

   作詞:佐々木守
作曲・編曲:玉木宏樹
    歌:深山ユリ(高木京子役)
10人の娘が旅に出た 10人の娘が旅に出た
滝にうたれて 1人目が死んだ

9人の娘が旅をした 9人の娘が旅をした
橋から落ちて 2人目が死んだ

8人の娘が旅をした 8人の娘が旅をした
崖から転げて 3人目が死んだ

7人の娘が旅をした 7人の娘が旅をした
熊に食われて 4人目が死んだ

6人の娘が旅をした 6人の娘が旅をした
蜂に刺されて 5人目が死んだ

残った5人が旅をした...



[質問]
SRIの犯罪捜査専用車「トータス号」のベース車は「スバル360」であると聞きましたが,他にも「スバル360サンバー」であるとか「マツダR360クーペ」であるという説もあるようです.どれが本当なんですか?

[回答]
トータス号のベース車はスバル360の商用バージョンである「スバルサンバー」を改造したものです.その筋では名車と言われているスバル360(通称:てんとう虫)をベースに改造されているという説や,マツダR360クーペを改造しているという説もありましたが,結論はスバルサンバーであることにもはや疑いの余地はありません.

トータス号の設計・施工に関する情報は次の通りです.

  • 施工 : 春木自動車工業株式会社
  • 責任者: 春木喜八郎氏
  • 経費 : 約100万円(当時)

改造の詳細については,『マイカー改造学』(著者:碇義朗 学習研究社 昭和45年9月20日発行)に記載があります.興味ある方は探し出して読んでみて下さい.



[質問]
「人喰い蛾」は放映されたのとは別の「未公開バージョン」があるそうですが本当ですか?また,なぜそのようなバージョンが存在するのでしょうか?

[回答]
「未公開バージョン」があることは本当です.怪奇大作戦を放映するにあたり,第1話は円谷の切り札コンビである円谷一・監督と金城哲夫・脚本が担当する予定でした.金城は脚本として「海王奇談」と「人喰い蛾」の2つの構想を用意していましたが,結局「人喰い蛾」を先に書くことになりました.そのシナリオには毒蛾の鱗粉で顔が泡状になって溶解するという場面があり,これを映像化すると子供向け番組として残酷すぎるのではないかという意見が出た結果(注),顔が溶解する替わりに赤い光が被害者にオーバーラップするシーンとする,残酷さが抑えられたバージョンが最初に作られました.これが「未公開バージョン」の正体です.この未公開バージョンでは,牧がケミカルメースという麻酔銃のような武器を使用する場面があるのですが,この部分は放映時にはカットされました.

ちなみに,最終的にはTBS側の意向(つまり橋本プロデューサ指示)に沿って,人が泡状に溶解するシーンを含んだ残酷バージョンを正式に採用することとなったのですが,今度はラッシュになって問題が生じました.泡状になって溶解する場面の効果がなかなかうまく出なかったことと,裸電球に戯れる蛾の動きがぎこちなく,特撮にこだわる円谷英二監督のOKが出なかったのです.第1話であるのでどうしてもチェックが厳しかったのでしょう.このために「人喰い蛾」は第1話として放映するのに間に合わなくなり,同時に撮影を進めていた「壁抜け男」が急遽第1話として放映されたのでした.

(注)
下線部については,私が以前Webで読んだ記憶があるのですが,出典は不明なので未確認情報としておいてください.また,「未公開バージョン」を最初に作成したのではなく,まず「できの悪い溶解バージョン」があり,それを見てこれでは残酷だということで「未公開バージョン」を作った,という流れも否定できません.この点に関してはいつの日か明らかにしたいと思います.

なお「人喰い蛾・未公開バージョン」は,以下のLDに収録されています.

  • 怪奇大作戦・妖奇幻想スペシャル
  • 怪奇大作戦・パーフェクトコレクション (LD-BOX)
  • 怪奇大作戦・BEST HALF BOX 1



[質問]
「京都買います」の中で印象的に使われているギターの曲について,詳しく教えて下さい.

[回答]
古都の風情と不思議なほどマッチするあのギター曲は,フェルナンド・ソル編曲による「モーツァルト『魔笛』の主題による変奏曲」です.詳細については,全26話紹介のページの第25話「京都買います」のコメントを参照して下さい.



[質問]
「死神の子守唄」のロケ地が知りたいのです.最後のシーンは横浜外人墓地でしょうか?

[回答]
その通りです.「死神の子守唄」の主なロケ地は以下の通りです.

  • 世田谷体育館
  • 二子玉川園の高島屋工事現場(当時)
  • 新宿西口公園
  • 横浜外人墓地
  • 石神井公園
  • 東邦大学付属病院
  • 国立公衆衛生院



[質問]
「恐怖の電話」のロケ地が知りたいのですが,世田谷団地以外よくわかりません.

[回答]
「恐怖の電話」の主なロケ地は以下の通りです.

  • 環状8号沿いの薬局(砧二丁目)
  • 世田谷団地
  • 成城電話局内部
  • 平和島
  • 川崎の港町駅そばのコロムビア工場内の無響室
  • 高円寺の青梅街道沿いの蚕糸試験場
  • 東京逓信病院



[質問]
怪奇大作戦の主題歌は「恐怖の町」ですが,「怪奇ソング」「暗闇のバラード」というのも存在すると聞いたことがあります.これらは番組中で使用されていますか?

[回答]
「怪奇ソング」「暗闇のバラード」は,番組中では歌入り,カラオケ共に使用例はありません.主題歌ですら毎回のエンディング以外には使われていません.「怪奇ソング」は副主題歌,或いは挿入歌と言う表現で紹介されます.当時の主題歌シングル盤のカップリング曲として作られたようで,恐らくソノシート等の類で使用例があると思います.一方の「暗闇のバラード」は,今までのCD解説書では挿入歌候補曲となっていましたが,最新の「円谷プロダクション・アーリーデイズ・クロニクル」解説書では主題歌候補曲と書かれていました.「SRI」「正義を守る」と言った主題歌と共通する歌詞の内容や,主題歌候補曲を複数作る円谷プロの伝統から考えても,多分主題歌候補曲と言うのが正解だろうと思います.結局「恐怖の町」に負けたので,1986年のキングレコードのアルバムまで一度も音源化されなかったそうです.



[質問]
怪奇大作戦の音源を収録したアルバムはありますか?

[回答]
VAPから「怪奇大作戦ミュージックファイル」が出ています.またコロムビアから出ている「円谷作品特撮グラフィティ」にも収録されています.VAPから出た「円谷プロダクション・アーリーデイズ・クロニクル」と言うCDには,怪奇の歌4曲(「恐怖の町」「怪奇ソング」「暗闇のバラード」「死神の子守唄」)とBGM9曲が収録されています.予約限定盤だった筈なんですが,普通に並んでる店もあります.値段は1万5千円とかなり高いですが,「ウルトラQ」から「猿の軍団」までの円谷作品の主要歌曲・BGMは揃うので,結構お勧めです.他にはFUN HOUSE「ウルトラアンソロジー円谷プロの世界」,東芝EMI「懐かしの特撮ヒーロー大全3」等にも主題歌,挿入歌は収録されています.前者は2枚組で3千円,後者は2千円です.ただ,どちらも廃盤になっている可能性があります.なお,パーフェクトコレクションLDには怪奇大作戦のBGMの全てが副音声で収録されています.

怪奇大作戦の音源を収録したアルバムのリストは以下の通りです.
(これで全てかどうかは未確認です)

  • 「怪奇大作戦」 BX-55 ビクター 45single
  • 「SFミステリーの世界・怪奇大作戦」 SKK(H)2124 KING LP
  • 「SF特撮TV音楽全集 No.3 怪奇大作戦」 K22G-7253 KING LP
  • 「SF特撮TV主題歌全集」 K29X 7084-5 2CD(2LP)
  • 「怪奇大作戦ミュージックファイル」 VPCD-81118 VAP CD
  • 「円谷プロダクション アーリーデイズ・クロニクル」 VPCD-81334-9 VAP 6CD
  • 「円谷作品特撮グラフィティ」 コロムビア
  • 「ウルトラアンソロジー円谷プロの世界」 FUN HOUSE
  • 「懐かしの特撮ヒーロー大全3」 TOCT-8793 東芝EMI
  • 「怪奇大作戦/ウルトラセブン」 KING LP



[質問]
「世にも奇妙な物語〜切腹都市」で実相寺昭雄監督が何故「題字」を書くことになったのか,その経緯を教えて下さい.

[回答]
実はこの回の演出が,一瀬隆重氏だそうです.氏は「帝都物語」のエグゼクティブ・プロデューサーでもあり,実相寺監督との交流も深い筈なので,一瀬氏から監督に依頼がされたのでしょう.



[質問]
怪奇大作戦・実相寺昭雄スペシャルのBGMが異なるのは何故ですか?

[回答]
これは製作当時,「仕上げを含むほとんどの作業が京都映画で行われたことでMEテープが作れず,後に輸出用のためMEテープを準備する作業時には該当曲が見つからなかったため」だそうです.怪奇大作戦ミュージックファイルの中にそうした記述があります.オリジナルの方が出典不明の流用曲で,LDの方は怪奇のオリジナルBGMで,「人喰い蛾」の冒頭等でも使われている曲だそうです.



[質問]
「呪いの壺」の中で登場する蒸気機関車と駅を教えて下さい.

[回答]
実相寺昭雄監督が書いた本「ウルトラマンの東京」の中で「呪いの壺」の実家のくだりは,山陰線のC57であるという記述があり,また,京都編の2作品は製作の大半を京都映画に委託したとの記述がある(予算の関係)ので,あの駅は山陰線の京都のどこかの駅であると考えられます.嵯峨嵐山から綾部あたりまでが該当するのではないかと思います.

(追記)
2003年3月に筑摩書房から文庫版「ウルトラマンの東京」が内容が改訂されて発売されました.これによれば登場する駅は山陰本線の「八木駅」であるということです.



[質問]
「壁抜け男」のキングアラジン=一徹斎春光を演じた「田口 計」氏は映画で声の吹き替えをやっていると聞きましたが,本当ですか?

[回答]
田口 計さんは,「キングコングの逆襲」「サンダ対ガイラ」で外人俳優の吹き替えをやってます.出演した映画については,こちらを参照して下さい.



[質問]
「呪いの壺」で,日野統三がリュート物質を地面から掘り出すシーンで,「ブー」という音が入っていますが,あれはノイズですか?効果音ですか?

[回答]
あの「ブー」という低音は,なんかこう怪しい放射線が出ている雰囲気が出ていて,効果音のように思えますが実はノイズです.マスターテープに入ってしまったもので,実相寺昭雄スペシャルLDの裏面に「特に『呪いの壺』のアイキャッチ後のBパートの冒頭に数分間の“ブー”というノイズが入ります.」と記載されています.余談ですが,上記LDの帯の部分には「『呪いの壺』幻の未編集効果音テープを発見!忠実に再現しました!!」とも書いてあるそうです.謎だ.

(追記)
DVDのデジタルリマスタリングによっても,このブー音は除去されていません.しかしブー音が入った方がいい感じなので,よくぞ残しておいてくれた!という感じです.^_^



[質問]
「快獣ブースカ」の中に「怪奇大作戦」のロケ場面と同じ場所があるというのは本当ですか?

[回答]
「快獣ブースカ」の中の「宇宙から来たんだ」という回において「かまいたち」の女性をばらばらにする橋が登場します.ブースカから幼稚園に行けと言われたチャメゴンは嫌々ブースカ達に引きづられて行くのですが,とうとうチャメゴンはブースカの手を払い,橋のど真ん中で駄々をこねます.この橋が,「かまいたち」で女性たちがバラバラにされていた現場なんですね.



[質問]
「ブラックアウト」は「怪奇大作戦」の雰囲気が出ていると思うのですが,どうなんでしょう?

[回答]
「ブラックアウト」は確かに非常に怪奇大作戦の雰囲気がでています.中でも「コール」という話が「恐怖の電話」+「かまいたち」で面白いです.見ていない方は是非どうぞ.



[質問]
「ケイゾク」は「怪奇大作戦」の雰囲気が出ていると思うのですが,どうなんでしょう?

[回答]
「ケイゾク」は確かに怪奇大作戦の影響を受けていると思わせる面があります.タイトル「死を呼ぶ呪いの絵」は題名はともかくテーマは「呪いの壷」ですし,「氷の死刑台」というタイトルの回があって,そのストーリーの元ネタが「怪奇大作戦」だということです.登場する役者さん達も良い味出しているし,取り扱う事件も複雑怪奇!中谷美紀演じる柴田純が牧史郎の様に事件を解決して行きます.柴田警部補は東大出のエリートなのに私生活はまるでだらしないと言う役どころです.怪奇ファンなら一度は見ておいた方が良いです.



[質問]
牧史郎役の岸田森は,別の番組中でカツラを取ってしまったという話は本当ですか?

[回答]
本当です.岸田森が他の出演者にも監督にも言わずに勝手に本番中ヅラをとっちゃったと言えば,「傷だらけの天使」第5話「殺人者に怒りの雷光を」でしょう.後述する「探偵物語」では元々ヅラの役で取れるのも演出ですが,「傷天」ではヅラの設定でもないのに本人の判断で取ったようです.第11話でも本番で外したらしいですが,こちらはカットされたらしいです.以後,「傷天」作品中で岸田森演じる辰巳はヅラという設定が確立してしまったようで,何話かで修に「辰巳さん,カツラずれてるよ」とからかわれるシーンもありました.これも多分ショーケンのアドリブでしょうね.岸田森が番組中でズラだったという役は,松田優作の探偵物語の中の「或る夜の出来事」でありました.怪盗の役で,松田優作と盗みの現場でフェンシング?勝負をすることになり,その時に取られてしまい,泣いてしまうというコメディパターンです.では何故その時にカツラを被っていたのかというと,撮影が傷天と同時期になった実相寺昭雄監督作品「あさき夢みし」にて,僧阿闍梨を演じるために剃ってしまったからなんですね.



[前に戻る]