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徐福症候群

徐福症候群は無意識の不老不死願望や老化譴責傾向から本人や関係者が現実を直視できず種々の問題が起こる社会的病態です.

二千年余前,秦の始皇帝が家臣の徐福を蓬莱(日本)に丹(たん:不老不死の薬)を探させました.徐福は大群を引きいて日本海を渡りましたが帰ることはありませんでした.覇王は始皇帝陵に水銀の海とともに今も眠っています.
朱色の硫化水銀(Ⅱ)を含む辰砂(しんしゃ)を熱すると容易に銀色の水銀になります.そのため水銀は再生つまり蘇生の象徴と考えられました.丹頂鶴の由来どおり朱を丹(たん・に)ともいいます.明代のミイラからは時に致死量の水銀が検出されます.心不全の患者に偶然水銀化合物が投与されると,むくみが一時的に取れたことでしょう.不死の薬はできませんでしたが練丹術によって今日の化学・薬理学の基礎となりました.
日本の各地に徐福伝説が多数残っています.竹取物語では丹を焼いたので不死(富士)の山の由来とあります.いつの時代でも仙丹への憧れはあるのです.

原因不明難病,老化,等の進行で患者本人や家族,そして医療者までもが怯え,時に事実から目をそむけることがあります.
若い頃とどうも調子が違ったり,痛みや苦しさが徐々に増す時,皆その背景にうすうす気づきます.しかし「(死に至る病の)他に原因とその治療法があるはず」とあせり,東奔西走します.これが徐福症候群です.
徐福症候群は人本来の心理的防衛機制です.ごく自然な反応といえますが.何事も「過ぎたるは」で,丹を追い求める本人や家族を,医療者を含む社会が看過し,状態がエスカレートすると問題が起こります.希望を求めて遍歴したのに,疲弊し精神的に逼迫し日常生活が困難になるのです.
徐福症候群を回避するため,医療者としては,死を避けたいというごく当たり前の感情を理解した上で,計画的に診療を続けます.
患者と家族は,療養生活の間口を広く取り,かかりつけ医や担当ケアマネ等と良く話し合います.
日常のなかでどうしても避けがちなテーマです.あせらずじっくり取り組む必要があるようです.


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