体の痛みは必ずよくなります・あきらめず じっくりと

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線維筋痛症

線維筋痛症原因不明の激痛が全身に走る~

痛ッ!指先が触れただけで激痛が脳天に突き刺さる.全身の血管を熱い氷片が流れるようだ.医者は首を振るばかり.痛みがない時でも疲れ果てて生活がままならない.会社の仲間どころか家族まで白い目で見る.
線維筋痛症i患者の叫びです.医師の1/4,一般人の9割が病名すら知らず(表 1),日本に約200万人もの患者がいながら(表 2),わずか4000人(0.2%)程度しか診断がついていませんii.病名がわかるまで17件も医者を替え50年もの歳月がかかった例もあります(表 3). 99%の患者は病名不詳のまま,この瞬間にも苦しんでいるのです.

◆気のせい・疲れすぎ・ただの老化・・・ではない

痛みはだれもわかってくれません.どんなに詳しく話してもご本人の苦しみは他人に伝わらないのです.
病状が悪化し会社を休みがちになると初めは理解を示してくれた同僚も「気にしすぎだよ」とか「疲れてんだから休みなさい」と同じ答えを返すようになります.まるで「気合が足りない」とか「なまけもの」と言われているかのようです.さらに長引くと頼みの綱の肉親でさえ「ただの老化だから仕方ないよ」などとあきらめムード.ご本人だけで痛みをこらえて孤立してゆくのです.
実際,線維筋痛症患者の1/2は誘引がわからず(表 4)1/3は知らぬ間に進行します(表 5).「気の病(やまい)」ではないのです.

◆痛み・疲れ・こわばり・不眠・うつ・・・多彩な症状

全身痛線維筋痛症最大の特徴です.体中に耐えがたい痛みが走ります.一部分の痛みが日によってあちこちに移動することもあります.
全身に及ぶ痛みではなくとも変な痛みiiiなら要注意です.ケガや手術などの明らかな原因が無いのに手や足,背筋(せすじ)等の一ヶ所に痛みがこびりついているなら線維筋痛症の初期症状かもしれません.
疲れは線維筋痛症の9割にみられます.毎日夕方に疲れるのはお勤めや家事によるもので心配いりません.いくら寝ても疲れが取れずやる気がおきないなど疲労感が慢性化したら異常です.
朝起きてすぐは誰でも体がこわばります.しかし1時間以上,節々が動きにくければ変です.線維筋痛症の6割で認められます.
不眠は7割にみられます.深夜に痛みで目が覚めたり,日中睡眠不足でへとへとなのに夜になっても寝付けないなど,日が経つにつれてこたえる症状です.
うつはまず痛みで起こります.不快な症状があればだれでも気がめいります.初めはあせりや不安が中心で,長引いて周囲とギクシャクしだすと病的な抑(よく)うつ気分がでてきます.日々が味気なく楽しいと思えなくなり,やる気や食欲がうせます.
あまりにも症状が多彩であるため,それだけで線維筋痛症を見極められません(表 6).しかし診断そのものは比較的容易です.

◆押して痛ければ線維筋痛症・・・いたって簡単

① 3ヶ月以上,全身の痛みがあって
② 表 7の部分を押して痛いところ(圧痛点)が11個以上あれば
線維筋痛症ですiv.基準に該当するかどうかだけならいたって簡単です.
専門医はさらに詳しく診断します.まずや感染症などの命にかかわるものや横紋筋(おうもんきん)融解症(ゆうかいしょう)など類似した病気を除外します(表 9).
次に線維筋痛症を他の病気が誘引の二次性とそうでない一次性に分け,二次性の基礎疾患を特定します(表 10・表 11・表 12).

◆特効薬はない・・・でも治療法はある

線維筋痛症には実にたくさんの治療法が試されています.残念ながら決め手となる薬はないのです.そのため「当院では治療できないから」といわれることもあるようです.
とはいえ治療法がないのではありません.むしろ基本的な考え方があまりにも簡単すぎて見逃されているのです(表 13).
この病気は未知の部分を含め,いろんな病態が組み合わさってv複雑な症状を生み出します.ですから単にその一つ一つを丹念に治療してゆけばよいのですvi.例えば関節リウマチが基礎疾患の二次性線維筋痛症なら抗リウマチ薬を投与します.それで不十分なら一次性の成分をたたきます.普通の痛み止めは効きませんから,確率が高いと報告されている特殊な鎮痛薬やその他の方法を順に試します(表 14).残った症状には対症療法です.痛みなどの症状そのものが線維筋痛症を悪化させるので対症療法は時に根本治療になります.あきらめることなく治療できるところから積極的に切り込んでゆけばよいのです.

◆引き返す勇気・・・がんばりすぎない

線維筋痛症になりやすいのは「がんばりやさん」が多いようです.また生真面目な性格に加え休むことのできない立場の方,例えばばりばりのキャリアウーマンや帰宅拒否症で仕事中毒のサラリーマンなどです.長年の疲労が心身をむしばみ,限界を超えると痛みを抑える仕組みが壊れ,たくさんの不可解な症状がでてくるのです.
仕事が残っているのは気持ちの悪いものです.それはわかりますが,何でも完璧にこなそうとすと無理がきます.その悲鳴が疲労や痛みです.7割くらいでやめておき,風を感じながら散歩をし家族や友人と談笑する...そんな生活の余裕が線維筋痛症の予防法で,最も基本的な治療法です.

◆長期戦・・・かかりつけ医登場

線維筋痛症の病期(表 15)はゆっくり進みます.あまり入院にはなりません(表 16).早期胃のようにガッチリ手術し短期間入院すれば完治するタイプではないのです.
地道に治療すれば1/2以上の症例で改善します(表 17).しかし完治は少なく4割で生活が難しく(表 18),中には20年以上も社会復帰できないケースもあります(表 19).
長期戦です.ご本人やご家族だけで病院を渡り歩くのはただ疲れるだけですvii.なるべく近くに何でも相談できるかかりつけ医をみつけましょう.専門医を受診する必要があればかかりつけ医から正式に紹介してもらいます.

◆必ず対処できます・・・きずなを大切に

線維筋痛症原因不明難病です.短期間で治す特効薬や手術はありません.しかし本来病気は知識や技術だけで治すものではありません.身近な人々きずなを大切にしてこそより健康になれるのです.
お悩みならまずご家族とよく話し合あいましょう.その上でかかりつけ医にご相談下さい.ご本人にあった対処法が必ず見つかります.


図表

◆表 1 線維筋痛症の認知度

医師 一般 医師
概念まで認識 32.2% 東京都 40.8%
名古屋 34.1%
三重 30.5%
病名のみ認知 38.4% 8%
病名知らない 28.4% 92%
※資料 より抜粋


◆表 2 線維筋痛症の患者数等

推定有病率 1.61%(約200万人)
平均年齢 51.5±16.9 (11~84)歳
男:女 1:4.8
推定受診数 2600(1900~3900)人
3900(3200~4600)人(別統計)
※資料ii p3-4,58より抜粋


◆表 3 線維筋痛症の発症時概要

診断期間 4.6±6.9(0~50)年
病院遍歴 3.9±2.8(1~17)科
診療内科>整形外科>神経内科>リウマチ
罹患期間 7.4±7.4 (1月~50)年
※資料ii p4,59より抜粋


◆表 4 線維筋痛症の発症誘引

なし 58.0%
あり 42.0% 手術・過度のストレス 72.1%
※資料ii p4より抜粋


◆表 5 線維筋痛症の発症様式

急性 26.4%
亜急性 40.0%
潜在性 33.7%
※資料ii p4より抜粋


◆表 6 線維筋痛症の症状

疼痛 全身痛 91.7% 右上半身 89.9%
左上半身 81.9%
右下半身 91.4%
左下半身 79.1%
体軸部* 59.7%
関節痛 82.0% 膝 64.4%
肩 63.5%
肘 49.5%
手指 45.2%
手 44.7%
足 44.2%
股 29.8%
足趾 19.7%
胸鎖 19.2%
顎 16.3%
筋肉痛 70.9%
他の軟部組織 47.2%
膠原病様症状 こわばり 63.7%
乾燥症状* 49.3%
手の腫脹 23.8%
口内炎 22.4%
発熱 17.6%
皮膚掻痒 17.5%
レイノー現象 12.9%
皮疹 10.9%
光線過敏 9.8%
身体症状 疲労* 90.9%
腹部症状 44.2%
便通異常 43.1%
身体の冷感 32.5%
動悸 30.1%
身体のほてり 26.8%
呼吸苦 24.3%
体重変動 23.7%
いびき 19.1%
アレルギー症状 17.1%
膀胱炎症状 頻尿 15.0%
残尿感 15.0%
排尿痛 10.3%
咳嗽 16.3%
嚥下痛 12.2%
嗄声 11.0%
生理痛 13.0%
月経困難称 22.3%
神経症状 頭重感・頭痛 72.1% 頭痛全体 66.2%
緊張型頭痛 37.0%
血管性頭痛 6.0%
片頭痛 57.0%
頭重感 33.8%
しびれ 64.8%
めまい 44.6%
浮遊感 25.4%
羞明 15.8%
手根管症状 5.5%
精神症状 睡眠障害 73.1%
不安感 64.3%
抑欝 60.5%
焦燥感 41.1%
集中力低下 38.7%
健忘 18.5%
睡眠時無呼吸 7.8%
意識障害 2.0%
*日本で特異
※資料ii p64より抜粋

◆表 7 線維筋痛症圧痛点

①後頭部 うなじのはえぎわ
②下頚部 のど仏より下で外側の筋肉
③僧帽筋 肩口の筋肉
④棘上筋 肩甲骨の上の筋肉
⑤第二肋骨 鎖骨の下の筋肉
⑥外側上顆 肘より下の内側
⑦臀部 おしりの筋肉の上側
⑧大転子 ふとももの外側でやや後ろ
⑨膝 膝の内側でやや上
※いずれも左右両方を押す
※資料ii p76より抜粋


◆表 8 関節リウマチ(455例) に於る線維筋痛症合併率

合併 72例(15.8%)
非合併 383例(84.2%)
※資料 より抜粋

◆表 9 線維筋痛症と鑑別すべき疾患

急性感染症・髄膜炎
などの悪性疾患
外傷・異物
脊椎症性神経根症(特に頚部)
低髄圧症候群
横紋筋融解症
※オリジナル


◆表 10 線維筋痛症の類型頻度

一次性(原発性:primary)
248例(71%)
二次性続発性:secondary)⊃反応性(reactive)
92例(29%)
リウマチ性疾患 73例(79.3%)
関節リウマチ 40
全身性硬化症 6
ベーチェット病 2
血清反応陰性脊椎関節炎 2
混合性結合織病 2
その他 4
リウマチ性疾患 19例(20.6%)
間質性膀胱炎 15
その他 4
※資料ii p61より抜粋


◆表 11 二次性線維筋痛症の基礎疾患:補遺

骨関節代謝異常 甲状腺機能低下症
副甲状腺機能亢進症
骨粗鬆症
中枢疾患 多発性脳梗塞疼痛失禁
脳卒中後遺症
脊髄症
感染症 ライム病後遺症
表 10以外の膠原病
シェーグレン症候群
皮膚筋炎
血清反応陰性脊椎関節炎 強直性脊椎炎
多発性付着部炎
胸肋鎖関骨異常骨化症
掌蹠嚢胞症性骨関節炎
その他(下記の一部) 慢性疲労症候群
複合性局所疼痛症候群:CRPS
(Ⅰ:RSD/Ⅱ:カウザルギー)
※資料ii p77より抜粋・改変


◆表 12 機能的身体症候群 Functional Somatic Syndrome

全身 線維筋痛症
慢性疲労症候群
頭頸部 非定型顔面痛
側頭下顎症候群(顎関節症)
舌痛症
咽喉頭過敏症(梅核気)
緊張型頭痛
肩 頚肩腕症候群
体幹 胸痛・胸部愁訴
慢性胃炎
過敏性腸症候群
間質性膀胱炎
腰背部頑痛
その他 複合性局所疼痛症候群
※資料 より抜粋・改変


◆表 13 線維筋痛症治療Nassi-Schneiderman chart

生活満足度を満たすまで診療継続
致死的疾患等優先疾患あり?
Y N
優先疾患治療と評価 二次性線維筋痛症?
Y N
基礎疾患治療加減
一次性線維筋痛症治療・加減
症状残存?
Y N
対症療法 観察・減数
※オリジナル


◆表 14 一次性線維筋痛症治療法:抜粋

生活指導 規則正しい生活:早ね早起き
疲労回復の習慣:引き返す勇気
運動指導
食事指導
精神療法 認知行動療法:柔軟で建設的な発想
ストレス防除:防衛機制の活用
中庸バランスをとる
理学療法 干渉低周波
広義放射線治療:温熱療法・マイクロ・レーザー
鍼灸
薬物療法 抗うつ薬:下行性抑制系活性化・うつ状態改善
抗痙攣薬:異所性発火抑制・疼痛記憶抑制
強/弱鎮静薬:中枢過敏抑制・筋弛緩
ノイロトロピン:下行抑制系活性化・抗炎症
筋弛緩薬:末梢過緊張抑制・神経根症状軽減
NMDA拮抗薬:疼痛記憶抑制・鎮痛
オピオイド:侵害刺激遮断
NSAIDS:炎症性刺激による発痛抑制・侵害域値上昇
ステロイド:強力な抗炎症・鎮痛
漢方薬:弁証論治に従った切り口
胃腸薬:上記薬剤の作用安定・自律神経安定
神経ブロック 硬膜外ブロック
星状神経節ブロック
トリガーポイント注射
入院治療 電気痙攣療法
トータルスパイナルブロック
通電針埋込:硬膜外・脳内
※オリジナル:一部重複有り


◆表 15 線維筋痛症のステージ分類試案(抜粋)

診断基準を満たすのみ
生活に支障なし 44%
Ⅱ 手足の指に痛み
不眠・不安うつ状態が続く
日常生活困難 31%
Ⅲ 全身の激痛が持続.
気候変化の変化で誘発.
自立困難 9.8%
Ⅳ 痛みで自動困難.
自重で発痛し寝ていられない.
ほぼ寝たきり. 9.1%
Ⅴ 上記に膀胱直腸障害・乾燥症状・
尿路感染などの全身症状合併.
日常生活不可能. 6.1%
※資料ii p5より抜粋


◆表 16 線維筋痛症の年間経過

主に通院 84.1%
通院と入院 11.8%
主に入院 1.7%
転院 2.0%
死亡 0.4%
※資料ii p65より抜粋(n=255)


◆表 17 線維筋痛症の年間機転

治癒 1.5%
軽快 51.9%
不変 37.2%
悪化 2.6%
不明 6.4%
死亡 0.4%
※資料ii p65より抜粋(n=266)


◆表 18 線維筋痛症の日常生活動作

通常通り 19.2%
ほぼ通常 34.4%
時々困難 21.2%
困難 12.8%
まったくできない 13.6%
ねたきり 0.8%
※資料ii p66より抜粋


◆表 19 線維筋痛症の休職・休学期間

なし 66.0%
あり 34.0%
3.2+4.8年(1ヶ月~20年)
※資料ii p66より抜粋


◆表 20 参考URI

厚生労働省研究班 線維筋痛症医療情報センター http://www.marianna-u.ac.jp/ims/soudan/fms/
線維筋痛症友の会 http://www5d.biglobe.ne.jp/~Pain/
痛みと内科の大久保クリニック http://www.ucatv.ne.jp/~okubo.sun/

参考
i FMS:FibroMyalgia Syndrome.「線維筋痛症」と聞くと多くの人が「体中の線維が切れてしまう」といった印象を受けます.図らずもインパクトのあるネーミングになったようです.
ii 西岡久寿樹 編:線維筋痛症ハンドブック.日本醫亊新報社.2007年.東京.
iii 異型痛atypical pain(⇔典型痛typical pain
ivWolfe F, Smythe HA, Yunus MB, Bennett RM, Bombardier C, Goldenberg DL, Tugwell P, Campbell SM, Abeles M, Clark P, et al. : The American College of Rheumatology 1990 Criteria for the Classification of Fibromyalgia. Report of the Multicenter Criteria Committee.Arthritis Rheum. 1990 Feb;33(2):160-72.
v シンドロームY:ひとつひとつは簡単な病気だが組み合わさることでとてつもない難病に見えること.例えば骨粗鬆症と多発性脳梗塞など.
vi 多角的診療内科や外科などの臓器別診療科にとらわれず問題点をいろいろな手法で解決する診療町医者がもともとやっていた方法.医療の専門化・先端化が極度に進んだため失われつつある.
vii 徐福症候群:ご本人やご家族があらぬ万能薬や幻の名医を探して東奔西走すること.そのまま遍歴を続けると燃え尽き症候群になってしまう.
viii松本美富士ら:線維筋痛症の医療側および一般住民の疾患認知度に関する研究.第51回日本リウマチ学会総会・学術集会.2007
ix萩原太ら: 関節リウマチ(RA)における線維筋痛症(FMS,Fibromyalgia)合併例.第51回日本リウマチ学会総会・学術集会.2007
x中井吉英ら:Painful depressionとミルナシプラン.Medicament News (2800) 2004

厚労省研究班線維筋痛症医療情報センター

厚労省研究班線維筋痛症医療情報センター

関連頁

線維筋痛症医療情報センター 

線維筋痛症友の会

線維筋痛症友の会

関連頁

Japan Fibromyalgia Support Association 線維筋痛症友の会 

リウマチ性多発筋痛症

体中の筋肉や節々が痛みこわばる病気です.閉経女性に多いですが,若年女性にもみられます.側頭動脈炎等との関連も示唆されていますが,多くのの医療機関で「原因不明」といわれることが多い病気です.
典型的には,血沈CRP等の炎症反応が陽性で,CKGOTLDH等の筋障害がありません.その場合,ステロイドが著効します.この点が線維筋痛症との大きな違いです.
「しかたない」とあきらめずに,多角的診療と視点で克服しましょう.

polymyalgia rheumatica rheumatoid polymyalgia リウマチ性多発筋痛症 

早期線維筋痛症

早期線維筋痛症(eFMS : early FibroMyalgia Syndrome)は線維筋痛症の定義より「発症から3ヶ月以上経過」等の条件をゆるめた疾患概念です.
鹿爪らしく言うと
異型痛・異型症:原因に比して強い痛み・症状 が
・徐々に全身へ広がる 状態で
・同様の徴候を示す病態(例:急性感染症・膠原病急性増悪・悪性疾患等)が鑑別可能なもの(線維筋痛症の除外疾患でなければ該当しても良い)
となります.

線維筋痛症も「早期発見・早期治療・早期寛解」の原則は当てはまります.なるべく早く治療を開始することが必要です.
もし医者が猶予期間を悠長に守り「まだ3ヶ月経っていないので様子をみましょう」というと
・患者と家族が病院遍歴をしてしまう
・投薬が遅れ,治りも遅くなる
可能性があるのです.
しかし,線維筋痛症を含めた慢性痛の定義に「3ヶ月」の文言があるのには意味があります.それは痛みを伴う急性期~亜急性期の疾患が隠れている可能性をなるべく除外したいからです.原因がよくわからないまま性急に治療を開始してそれらの疾患を隠蔽したり悪化させないためなのです.
ですから診療開始時点から先手を打って治療するとともに除外診断を可及的速やかに薦めます.もし優先される病態が明らかになればそちらを対処します.
一次性線維筋痛症に有効とされる治療法の多くは比較的無害で他症隠蔽や悪化の危険性も少なく診断と併行しうると考えられます.

早期線維筋痛症 eFMS early FibroMyalgia Syndrome 

線維筋痛症の診断基準

全身痛>3ヶ月
●爪が白くなるくらい(約4Kg)の力で下記を押し11ヶ所異常の圧痛点
①後頭部:うなじのはえぎわ
②下頚部:のど仏より下で外側の筋肉
③僧帽筋:肩口の筋肉
④棘上筋:肩甲骨の上の筋肉
⑤第二肋骨:鎖骨の下の筋肉
⑥外側上顆:肘より下の内側
⑦臀部:おしりの筋肉の上側
⑧大転子:ふとももの外側でやや後ろ
⑨膝:膝の内側でやや上
(⑩大腿四頭筋:ももの筋肉の外側)

・Wolfe F, Smythe HA, Yunus MB, Bennett RM, Bombardier C, Goldenberg DL, Tugwell P, Campbell SM, Abeles M, Clark P, et al.
: The American College of Rheumatology 1990 Criteria for the Classification of Fibromyalgia. Report of the Multicenter Criteria Committee.
Arthritis Rheum. 1990 Feb;33(2):160-72.
・西岡 久寿樹 編:線維筋痛症ハンドブック.日本醫亊新報者.東京.2007


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