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顔面神経麻痺

a.病態・治療
顔面神経は複合後根神経群に属し.4種の機能的成分が含まれている.顔面神経が障害されることによってそれぞれの機能障害が起こる.
特殊内臓遠心性線維の障害では顔面表情筋の麻痺が起こり,またアブミ骨筋も麻痺するため障害側の聴覚過敏が生じる.中間神経のうち特殊内臓求心性線維の障害により障害側の舌前2/3の味覚障害が生じ,一般体性求心性線維の炎症で痛みが,一般内臓遠心性線維の障害により流涙障害,舌下腺,顎下腺の分泌障害,唾液の分泌障害が生じる.
病因としてはウイルス性,特発性,外傷性,耳性,腫瘍性などがある.
水痘・帯状疱疹ウイルスによる顔面神経麻痺はハント症候群とよばれる.ベル麻痺原因不明特発性末梢性顔面神経麻痺の総称であり,単純ヘルペスウイルス1型によるものはベル麻痺から除外される可能性がある.ハント症候群では初期に抗ウイルス薬を投与する.単純ヘルペスウイルス1型によるベル麻痺も抗ウイルス薬を投与する.
顔面神経麻痺に対する星状神経節ブロックの効果は虚血の改善,浮腫の消退,抗炎症効果にある1).
病変部の血管を拡張させ虚血を改善することにより顔面神経の障害を最小限に抑え,神経障害に対しては再生を促進させることを目的とする.頭頸部交感神経系の緊張克進は顔面神経の微小循環を障害する可能性が指摘され,交感神経の過緊張にて障害された顔面神経の微小循環は,緊張の解除により回復する可能性があることが報告されている2).
b.神経ブロック治療指針
MEDLINEに収録された顔面神経麻痺に対する神経ブロック療法の1992年以降の文献は日本人によるものだけであった.医学中央雑誌も含め,顔面神経麻痺に対する神経ブロック療法のRCTは見当たらなかった.
星状神経節ブロックのみによる治療成績の報告は少なく1,3,4),ステロイドを併用する報告が多かった5,6,7,8,9).
ア.発症3週以内10)
①星状神経節ブロック:麻痺スコア(40点法)(表1)が30点に改善するまでは1回/日,その後は36点になるまでは1~3回/週の頻度で行う.
急激な麻痺の悪化を示す例は入院加療とし,発症から14日以内は1日1~2回施行し.以後1ヵ月まで1日1回とする11).
②上胸部持続硬膜外ブロック:麻痺スコア8点以下の重症例で,入院治療の場合には,星状神経節の節前線維遮断を目的として上胸部持続硬膜外ブロックを考慮する.
ィ.発症4週以上~6ヵ月
星状神経節ブロック:アの①と同様の基準で行う.発症3ヵ月を経過しても麻痺の改善がみられない場合には,発症6ヵ月程度を目安に漸減中止する.
ウ.発症6ヵ月以上の陳旧例
顔面神経麻痺陳旧例での星状神経節ブロックは,麻痺回復の期待は少ないが.顔面のこわばり感の軽減などの対症療法として1回/週程度行う.
C.理学療法
表情を大きく豊かに動かす粗大顔面運動や筋力強化,低周波刺激は顔面神経麻痺の後遺症である顔面拘縮をかえって増悪させるので,これを回避する.マッサージ,食事や喋るときに開眼させる眼輪筋への括抗運動をするのが良いという報告がある12).

表1 顔面神経麻痺スコア
安静時非対称0 ・ 2 ・ 4 鼻根のしわ寄せ0 ・ 2 ・ 4
額のしわ寄せ0 ・ 2 ・ 4 頬部ふくらませ0 ・ 2 ・ 4
軽く閉眼0 ・ 2 ・ 4 イーと歯みせ0 ・ 2 ・ 4
強く閉眼0 ・ 2 ・ 4 口笛0 ・ 2 ・ 4
片眼つぶり0 ・ 2 ・ 4 口をへの字0 ・ 2 ・ 4
4 0 点法       左右差なし:4 点
筋収縮あるも左右差有り:2 点
筋収縮・緊張の消失:0 点    計    点
遺症の有無:
1.なし
2.病的共同運動(0 , 1 , 2 , 3)
3.顔面けいれん(0 , 1 , 2 , 3)
4.ワニの涙(0 , 1 , 2 , 3)
5.顔面こわばり・拘縮(0 , 1 , 2 , 3)
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※「ペインクリニック治療指針」から抜粋


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