今期最終日の夕マズメ、2003年シーズンの禁漁まで残り1時間を切ったその時、中禅寺温泉街に灯がともり、国道を行く車のヘッドライトが列を作りはじめた頃、真木ハンドメイドルアーズ製ミノー「SLL姫120」を超ディ−プで流していた「FenwickFS106C−H」ロッドが、グゥッイーーンと、一瞬かつ豪快に絞り込まれた。
アタリは突然、アワセは一瞬。推定年齢30年・中禅寺湖の主・モンスター・レイクトラウトは、その持てる力と英知の全てを発揮し、真木ミノーからの脱出を試み極太トルクと豪快ファイトで突進を開始した。この時を待ちこの時のために準備を整えてきた私は夕闇の狂人と化し、全身全霊でこれと対峙した。120ydのレッドコアを時間をかけてゆっくり巻き、残り20−30mとなった時点から、一向に浮上しないモンスターを芯として、デッドスローでボートを旋回、ジワジワじわじわジワジワ…と、仕掛ける時・勝負の瞬間を待った。
足はパンパン、上腕二頭筋は既に限界を超え、精神力のみの勝負となった時、ふと「釣キチ三平クラシックNo,8・カルデラの青鮒」で、巨大鮒とやりとりする一平じいさんの名台詞が脳裏を過ぎった。