このコーナーでは、廃墟・中古建築を舞台にした映像作品を紹介します。特に、有名なもの、誰でも知っているものより、テレビなんかであまり眼にしないような作品を選ぶつもりです。タルコフスキーの『ストーカー』は、とても素晴らしいけれど、廃墟趣味者ならみんな知ってるから、没。 こんなかんじです。





『ロビンソンの庭』
山本政志監督作品(1987)
出演:太田久美子 町田町蔵 室井滋 田口トモロヲ 利重 剛 OTO 横山SAKEVI 他 (119分)

 悪いクスリを売って生活しているクミは、ある日、妙な廃墟に入り込む。そこには…(笑)。これ以上書くとぶち壊しなのでやめます。とにかく主人公やその周辺の人々が廃墟に住みつき、妙な経験をいろいろとします。廃墟満載(嬉)。パンフレットによれば、都内にある五カ所の廃墟を使って撮影したとのこと。どことは明記してありません。くやしいなぁ。87年の作品だから、ロケ地はもう無いでしょうけどね。全て国有地だったので、いろいろウソやゴマカシを書いて撮影許可をとったそうです。いい話だ(笑)。どうせほっぽってあるんだから、映像に残したってぇのは、供養みたいな行為ですよ。あんまりやりたい放題やったので、残りの撮影は偽名で借りねばならなかったとか。さらにイイ話だ(笑)。プールみたいだったもんね。おっと書いちまったぜ(笑)。どうやって撮影したのか分からないシーンもあります。低すぎる空撮。おっといけねぇ(笑)。廃墟趣味者を自認するなら、これは見ておかなくちゃね。ビデオはバップから3800円で出ています(VHSビデオのみ。99年の発売。VPVT-64592)。(←回し者ではありません。)大きめのレンタルビデオ屋さんならあるかも(←ほらね)。ロカルノ映画祭審査員特別賞はじめ、多くの賞をもらっています。






『東京BOOK』
坂間隆作監督作品(1992)
出演:遊佐未森 田中義訓 及川ヒロオ 遠井みちのり 芝崎善紀 吉田清香 秋山菜津子 久保 晶 他
(39分)
 ボーカリスト遊佐未森さん主演の掌編映画。紙製の箱に入っていて、昭和初期モダン体みたいな文字で「東京BOOK」と書いてあります。もうこれだけで中古マインドがズキズキって感じ(笑)。また主人公がね。目の上一直線だし。榎木津探偵好みだ(笑)。私はどうかと思うが(笑)。遊佐さん扮する桃野実梨が、東京の懐かしい景色の中で、少し奇妙な人たちと出会います。遠くにニコライ堂のドームが見えて、聖橋を背景に飴男が登場。よくあんなところで撮影できましたね。イシはお茶の水あたりがナワバリだったから(笑)、うれしくって。電話男の公園は、聖橋からちょっと北西へ行ったところの児童公園でしょう。桃野さんが勤務する図書館も、いい雰囲気です。子供時代の桃野さんが「椰子の実」を歌うシーンでは、あの同潤会代官山アパートが使われています。実は、このサイトにも、そのシーンに似せたアングルで撮った写真があります(→こちら)。代官山アパートを歩いていて、「あぁっ、ここはあのビデオで使っていた場所じゃあないかぁ」と思ったものです。他にも、イイ感じの町並みが何カ所か使われています。都営荒川線のチンチン電車まで見られるし。万引き女のエピソードは、あんまり好きではないですね。しゃべりすぎで。カラー作品ですが、全体に薄くセピアがのせてあり、巨大工場の景色まで、なんだか懐かしく見えてしまいます。残念ながら、この作品はもう市販されていないようです。エピックソニーから出ていました(ESVU 369)。レンタルはどうですかね。公共図書館ならあるかもしれません。

箱に書かれている「あらすじ」より
 図書館で働く桃野実梨は自称「日曜探偵」である。鞄の中には日記帳、首からカメラをぶらさげて歩く先には何がある? 路地のむこうに風が吹く。